JR城端線の利用促進を図るとともに市内への観光客を呼び込もう-。3月14日の北陸新幹線開業に合わせ、南砺市は、新幹線から城端線を乗り継いで市を訪れた観光客を対象に、市内公共施設入場や市営バス利用を無料とする。交通費や宿泊費の負担を軽減することで、城端線で訪れた観光客に山間地から平野部まで琵琶湖並みの面積(約670平方キロ)がある市内を広範囲に巡ってもらうのが狙いだ。
城端線では北陸新幹線新高岡駅に併設した新駅が開業することから、南砺市は2次交通としての役割を重視し、新高岡駅に降り立った観光客の誘導を目指している。速達タイプの「かがやき」臨時便が止まる同駅の利用実績向上への効果も期待している。
城端線で市内に入った観光客は福野、福光、城端の3駅で、行きか帰りの乗車券など新幹線利用を証明できる物を提示すれば、市営バスの1日券、市内観光施設の入場券などがもらえる。観光施設は福光美術館、井波彫刻総合会館、五箇山民俗館など12施設のうち5施設に入れる。
このほか、JR城端線終点の城端駅周辺でレンタカーを利用できる仕組みを整えた上で、3千円を上限に利用料の半額を助成する。レンタカーを利用して市内に宿泊した場合も、1人当たり3千円を交付する。
公共交通担当の市長政策室は「新幹線開業効果を、広い市域の隅々まで行き渡らせることができればいい」と話している。
市営バスや観光施設無料の経費555万円、レンタカー利用への助成90万円などは、10日の臨時市議会に提案される市の本年度一般会計補正予算に計上された。