北陸新幹線開業後の交流人口拡大を目指したグリーンツーリズム体験プラン「世界遺産"とやま"五箇山の冬体験ツアー」(1泊2日)が19日、南砺市上平地域で始まった。首都圏を中心に県外から12人が参加し、雪中赤カブ掘りなどを楽しんで住民と交流した。都市農山漁村交流活性化機構(東京)が参加者を募り、NPO法人グリーンツーリズムとやま(富山市)が体験プランの企画に協力した。
新幹線開業直前の実験的なプランとして、交流、体験、食の3要素を軸に、雪深い五箇山で冬ならではの魅力や暮らしぶりに触れてもらおうと企画した。
雪中赤カブ掘りは、昔ながらの石積みの棚田の復元に取り組みながら在来種「五箇山かぶら」を栽培する楮(こうず)集落で行った。参加者は棚田管理者の東田幸雄さん(73)ら地元住民の指導で棚田に積もった雪を懸命に掘った。約1・5メートル掘り進むと、昨秋の収穫期に小さかったため収穫しなかった赤カブが顔を見せ、歓声が上がった。雪の下で冬を越すと甘みが増すといわれ、参加者は早速、取りたてを生で味わっていた。
東京都市大学2年の堀田真帆さん(19)=横浜市=は「雪の中から作物を収穫するなんて都会では絶対にできない貴重な体験。新幹線が開業したら雪がない時期の暮らしも必ず見に来たい」と話した。
楮集会場で郷土料理作りや五箇山民謡体験で住民と交流したほか世界文化遺産・菅沼合掌造り集落も見学した。
ツアー一行は20日、桜ケ池周辺(城端)を散策し、自遊の森で林業体験などを行う。