仏教を主題とした傑作を並べ開幕した棟方志功展=南砺市福光美術館

仏教を主題とした傑作を並べ開幕した棟方志功展=南砺市福光美術館

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志功の信心、軌跡たどる 福光美術館、企画展開幕

北日本新聞(2015年3月8日)

 戦中戦後に南砺市福光地域に疎開していた板画(はんが)家、棟方志功の宗教観の深まりと表現の変容をたどる企画展「-こころの軌跡-歓喜の人 棟方志功展」が7日、同市福光美術館で開幕した。真宗の求道者たちと出会い、他力の信心を感得していった福光時代の作品を中心に、仏教を主題とした傑作を集めた。5月10日まで。北日本新聞社共催。

 北陸新幹線開業記念事業として開き、板画、倭画(やまとが)、書など約100点を展示した。

 福光時代の作品は女人・神仏・文学の3要素を混然一体に表した最高傑作の一つ「女人観世音板画巻(にょにんかんぜおんはんがかん)」(1949年)、「宿業とは自覚することで仏の救う心を開き、仏と人の心が交わるようにするために人が持つ本能だ」という意の仏教学者、曽我量深(そがりょうじん)の言葉を書いた襖(ふすま)書「宿業者是本能則感應道交(しゅくごうはこれほんのうすなわちかんのうどうこう)」(同)、最後の作品で善興寺(高岡市中田)所蔵の倭画「御二河白道図(おんにがびゃくどうず)」(51年)などをそろえた。

 初日は渡邊一美学芸員が作品を解説し、「志功は富山で宗教観を深め、美として自在に表現し、独自の世界観をつくった」と説明。表現の変化や富山で過ごした意義を感じられるようにと、福光時代前後の作品も並べた。

 開会式で田中市長、山田勉市議会議長があいさつ。奥野達夫同美術館長、勢藤北日本新聞社事業局長らが加わりテープカットした。3月14日、4月12、29日、5月4日の午後2時から学芸員ギャラリートーク、4月5日午後2時からは「棟方志功の半生を歌う」と題した合唱コンサートが開かれる。会期中無休。

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