鋳物(銅器)と漆芸(漆器)という高岡の伝統工芸の技と、先端技術の青色LED(発光ダイオード)を融合させて製作された時計「時の融和」が、高岡市下黒田の北陸新幹線新高岡駅の待合室に設置された。お披露目のセレモニーが13日、行われた。
時計は市民功労者約550人でつくる「白鳳会」が開業を記念して寄贈した。縦100センチ、幅60センチ、奥行き8センチ。日本クラフトデザイン協会副理事長の相川繁隆さん(63)=高岡市本町=が「和の未来」を基本コンセプトにデザインした。駅で大勢の人がひとときを共有する「時間の融和」を表現したという。
同市金屋町の町屋などで見られる格子戸(さまのこ)の縦のラインを意匠に取り入れた。リサイクルアルミとリサイクル透明ガラスを使い、文字盤部分などに螺鈿(らでん)(青貝塗(ぬり))を施した。15秒ほどのリズムでLEDがゆっくり点滅する。
セレモニーには高橋市長と相川さん、白鳳会の大黒幸雄副会長(86)=同市伏木錦町=が出席した。大黒副会長と相川さんは「高岡銅器と高岡漆器の職人の技の結晶。高岡に素晴らしい技術があることを、待合室を通して大勢の人にアピールできればうれしい」と話した。