南砺市福野地域中心部で4月30日に行われる福野夜高祭前夜祭で、呼び物の「文久(ぶんきゅう)の大行燈(あんどん)」引き回し行事に、ワールドミュージックの祭典「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」で製作されたモザンビークの巨大人形が登場する。高さは大行燈が約15メートル、人形が約4メートル。福野の新旧文化が生み出した巨大造形物のユニークな共演で、前夜祭を盛り上げる。
「文久の大行燈」は、福野地域中心部で現在も受け継がれている大行燈の2倍余り。幕末の文久年間に福野史上最大になったことが名称の由来となっている。前夜祭では観光客も引き回しに参加し、夜高祭の魅力を体感できる趣向として親しまれている。
人形は紙や粘土で作られた女性像。内部は空洞で、下半身部分に人が入り、手に付けた棒を動かして操る。昨年8月下旬の「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」(北日本新聞社共催)で、音楽以外の外国文化に理解を深めようと、モザンビークのアーティストから住民らが作り方を学んで仕上げた。パレードなどにブラジル音楽のにぎやかな響きとともに登場すると、大勢の見物人が踊りの輪に加わった。
そうした盛り上がりに、福野夜高祭連絡協議会(山辺美嗣会長)のメンバーが着目。「スキヤキ」実行委員会(橋本正俊委員長)の協力を得て、「文久の大行燈」との共演が実現することになった。
4月30日の前夜祭では、午後9時ごろから、JR福野駅前の通り約200メートルで「大行燈」を引き回し、巨大人形が先導する。周囲でブラジル音楽を響かせる。
同協議会理事でスキヤキ評議員会長の河合秀和さん(58)は「伝統の祭りと新文化のパワーを合わせ、活気を呼び込みたい」と話している。