南砺市福野地域で5月3日に行われる福野神明社春季祭礼に合わせ、曳山(ひきやま)を先導する屋台巡行が63年ぶりに行われることになった。福野曳山保存振興会(竹澤良彦会長)が28日の総会で決めた。昨年は祭り当日の突風で破損し、巡行を見送っていたため、2年越しで長年の悲願が実現することになる。
福野神明社春季祭礼では、5月1、2日に宵祭りとして福野夜高祭、3日の本祭り行事として曳山巡行がある。曳山巡行に当たっては、三味線や笛、唄を響かせる屋台を先導役とするのが本来の形式だが、1952年を最後に途絶えている。
同保存振興会は伝統形式の再現を目指し、昨年5月の本祭りで4町の屋台のうち最も傷みの少ない上町・七津屋の屋台(高さと奥行き3・6メートル、幅2・7メートル)を引き回す予定だったが、蔵から出した直後、突風で屋根を破損し、中止となった。同年10月に、地元の曳山大工によって修理され、今年の仕切り直しが可能になった。
5月3日は同市福野(上町)の通称「銀行四ツ角」から福野神明社まで約200メートルにわたる曳山4基巡行を、屋台が先導する。屋台の後ろで、福野庵唄(いおりうた)保存会(大塚敞山(しょうざん)会長)が笛や三味線で囃子(はやし)を響かせる。
雨天や強風の場合は中止とする。曳山と屋台巡行は北日本新聞社共催。