射水市新湊博物館(同市鏡宮)は6日、江戸時代の和算・測量家、石黒信由(のぶよし)とその子孫が作製した地図や古文書などの史料計605点をインターネットで公開した。公開に合わせて館内のパソコンを更新し、公開史料を閲覧できるようにした。
石黒信由は現在の射水市高木(新湊)生まれ。信由から4代にわたって残した絵図や測量器具など約1万2千点のうち3764点が国の重要文化財に指定されている。
同博物館は昨年4月に87点をネットで先行公開。今月6日から、地図や藩蔵屋敷の敷地測量図といった学術的に貴重な史料518点を加えた。いずれも特殊カメラで撮影され、画面上で拡大すると1ミリの記号も鮮明に見られる。
館内ではタッチパネル式のパソコンで公開された史料を閲覧できる。来館者は富山、石川の両県を高い精度で記した地図「加越能三州郡分(ぐんわけ)略絵図」などを興味深そうに見ていた。担当者は「常設展示できない貴重な史料を気軽に閲覧し、古里の歴史に理解を深めてほしい」と話している。