氷見の定置網や漁具、民具などを一堂に展示する「ひみ漁業交流館魚々座(ととざ)」(氷見市中央町)が21日、オープンした。「氷見の漁業・漁村文化を体感でき、未来に伝える施設」として、市の新たな観光・交流拠点となる。今後、旬の魚や野菜を使った料理教室、漁網を編む体験などのイベントを展開し、魅力を発信していく。
外壁や内壁は漁村の黒瓦の家並みや漁師の作業小屋「番屋」にちなみ、黒色で統一した。館内に特注した全長約70メートルの「越中式定置網」を設置。海中に仕掛けられた状態をできるだけ再現するため天井からつり下げた。市民や漁業関係団体が提供した浮きやいかりなどの漁具、民具約2千点を並べ、実際に手で触れることができる。全長9メートルの木造和船を展示し、海に関する図書も並べた。
魚食普及につなげるため、畳敷きの飲食休憩コーナーを設けた。干物をあぶって食べたり、かぶす汁やととぼち(すり身)揚げといった軽食を楽しめ、氷見の地酒やワインも取り扱う。
オープニングで本川市長が「漁村文化をリードし、氷見の資産を少しずつ編み上げていく施設にしたい」とあいさつ。知事代理の河村県農林水産部次長、堂故茂参院議員、嶋田茂市議会議長、高橋高岡市長、浜元英一氷見漁協副組合長が祝辞を述べた。設計した建築家の手塚貴晴氏や東京芸術大の日比野克彦教授らアドバイザーが紹介された。テープカットの後、菅沢裕明県議や県西部の自治体関係者、氷見市の新町保育園児らが加わり、くす玉を割って開館を祝った。
初日は県内外から大勢の人たちが訪れた。館内を見て回り、「魚の街氷見」の魅力に触れた。
魚々座は旧海鮮館を改修し、昨年10月から整備を進めてきた。延べ床面積1847平方メートルで、事業費は4億5107万円。入館料は個人300円、20人以上の団体は1人250円。氷見市民や中学生以下、障害者らは原則無料。