高岡市はことし12月、市出身の漫画家、故藤子・F・不二雄さんの作品の魅力や足跡を発信する常設施設「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー(仮称)」を高岡市美術館(高岡市中川)に開設する。藤子さんの古里・高岡で初めての常設施設となり、市は「ドラえもん」「パーマン」など数多くの人気漫画を生み出した藤子さんの原点を国内外に発信する拠点とする考え。高橋市長が30日の定例会見で発表した
30日までに、著作権を管理している藤子・F・不二雄プロ(東京)から、常設ギャラリー開設について基本的な了承を得た。現在は高岡市美術館の所蔵品常設展示場となっている2階フロアの全体約300平方メートルを常設ギャラリーに充てる予定。藤子さんの誕生日に当たる12月1日のオープンを予定している。
施設内容は、藤子さんの足跡や作品の紹介、原画・複製原画の展示を予定するほか、2011年に川崎市にオープンした「藤子・F・不二雄ミュージアム」と展示資料の交換も計画している。藤子さんが作品に込めた「夢」「友情」「勇気」「人を愛する優しい気持ち」など次世代に伝えたいメッセージを古里から全国や海外に発信する施設とする考えだ。
高岡市内では、高岡おとぎの森公園やウイング・ウイング高岡前広場などにドラえもんキャラクターのオブジェがある。同市と射水市を結ぶ路面電車・万葉線では「ドラえもん電車」も運行中で、作品のファンが海外からも訪れている。常設ギャラリー開設で、さらなる街の魅力アップが期待され、高橋市長は「藤子さんの古里ならではの企画や展示も考えていく。子どもから大人まで楽しめる施設にしたい」と話した。
◆藤子・F・不二雄さん◆
本名は藤本弘。1933年高岡市生まれ。高岡工芸高校卒業後、氷見市出身の藤子不二雄(A)さん(本名・安孫子素雄)とコンビを組み、87年まで「藤子不二雄」のペンネームで活動した。コンビ解消後、藤子・F・不二雄のペンネームを使った。96年、62歳で死去。ドラえもんは今も新作映画が作られるほど、高い人気を保っている。