昨年7月に瑞泉寺で行われた絵解き説法。フォーラムでは太子絵伝の基礎から最新の研究成果までを紹介する

昨年7月に瑞泉寺で行われた絵解き説法。フォーラムでは太子絵伝の基礎から最新の研究成果までを紹介する

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聖徳太子の絵解き知って 瑞泉寺で6月にフォーラム

北日本新聞(2015年5月30日)

 南砺市の井波別院瑞泉寺に伝わる聖徳太子絵伝の絵解きをテーマにした「井波絵解きフォーラム」が6月6、7の両日、同市井波地域で開かれる。絵伝研究の第一人者や絵解き継承者による講演、座談会を通し、全国的にも珍しい井波の絵解き文化、聖徳太子信仰への理解を掘り下げてもらう。北日本新聞社共催。

 絵解きは、寺院などで仏画や巻物を掲げ、描かれた内容を聞かせること。浄土真宗では教えを民衆に広める手段として大きな役割を担った。瑞泉寺では、聖徳太子の生涯を描いた絵伝を用いた絵解きが継承されている。

 フォーラムを主催する名古屋大文学研究科附属人類文化遺産テクスト学研究センターの阿部泰郎教授によると、全国には聖徳太子絵伝を所蔵する寺院が50カ所近くあるが、絵解きを現在まで継承しているのは瑞泉寺のほかに聞いたことがないという。絵解きについて広く知ってもらうとともに、地元で継承されている素晴らしさを住民に再認識してもらおうとフォーラムを企画した。

 6日は井波総合文化センターで、東京国立博物館の沖松健次郎主任研究員が「聖徳太子絵伝入門」と題し講演。同大大学院の学生が絵解きを実演する。同博物館所蔵の国宝で、現存する最古の聖徳太子絵伝である「綾本著色(りょうほんちゃくしょく)聖徳太子絵伝」を映像化した作品の上映がある。

 7日は瑞泉寺で阿部教授が「法隆寺と井波を結ぶ信仰の道」、同博物館の土屋貴裕研究員が「聖徳太子絵伝鑑賞の場」をテーマに講演。絵解き説法の実演や座談会もある。

 両日とも午後1時半開始。入場無料。問い合わせは瑞泉寺、電話0763(82)0004。

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