南砺市城端地域の蓑谷地区村づくり協議会(中森俊夫会長)は28日、地区出身の農業研究家、故稲塚権次郎さんが育種した小麦農林10号入りの「権次郎そうめん」を地区の全戸に配った。7月12日に同地区体育館で開く権次郎さんの顕彰イベント「第14回権次郎まつり」(北日本新聞社後援)でも販売する。
小麦農林10号は1935年に完成し、世界の食糧危機を救う「緑の革命」のきっかけとなった。権次郎さんの生涯は、南砺を中心にロケを行った映画「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」となり、7月3日までTOHOシネマズ高岡で上映されている。
権次郎そうめんは地元の「小麦農林10号を守る会」(橋場光昭会長)が栽培する農林10号を20%配合し、毎年作っている。漂白せずに製粉し、薄茶色の素朴な風合いで、もっちりとしている。
ことしは農林10号の4代目の"子孫"でパンや麺の生地として人気が高い北海道江別市産の品種「ハルユタカ」も1・2%加えた。江別でも映画ロケが行われた縁で交流が始まりブレンドが実現した。
28日は協議会役員らが同市蓑谷のJAなんと愛菜ふれあい館前で出発式を行い、地区の約250戸に計500束(1束200グラム)を配った。
中森会長(69)は「映画が公開されたことしは香りあるハルユタカを加え、よりおいしく仕上がった。ロケに協力した住民の皆さんにおいしく味わってもらいたい。権次郎さんを顕彰し続けるため、まつりにも多くの人に来てほしい」と話す。権次郎まつり会場では1杯100円で権次郎そうめんを提供する。