歴史的建物や伝統芸能など各地の特色ある文化財を選ぶ「日本遺産」の認定証授与式が29日、東京都内で行われ、福井県の「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道」(小浜市、若狭町)など24府県18件が登録された。下村博文文部科学相から認定証を受け取った西川知事は「日本遺産の第1弾に登録され大変うれしく思う。地元の誇りとして、観光振興に活用していきたい」と喜びを語った。
日本遺産は国内外の地域の宝をアピールし、地域活性化につなげる文化庁の新事業。福井県の「若狭の往来文化遺産群」は、古代から「御食国」として豊富な食材を都に運び、都の食文化を支えてきた歴史や風土が評価された。また小浜市と京都市を結ぶ「鯖街道」は、往時のにぎわいを伝える熊川宿(若狭町)などの町並みが今も残るほか、伝統芸能や独自の食文化が連綿と受け継がれているストーリー性が高い評価を得た。
授与式は東京・台東区の東京国立博物館で行われ、下村文科相が18件の地元首長らに認定証を手渡した。下村文科相はあいさつで、2020年東京五輪・パラリンピックで多くの外国人が訪れることを見据え「開催効果を全国津々浦々に波及させる中核となるのが、クールジャパンの"文化財版"ともいえる日本遺産だ」と期待を込めた。
西川知事は「若狭地方には小浜市の三丁町や水月湖の年縞(ねんこう)など、多くの素晴らしい観光資源がある。これらと連携しながら、地域活性化に向けた施策を進めていきたい」と話していた。
文化庁は五輪開催の20年までに、100件の認定を目指している。認定先の自治体には案内板設置やガイド育成などの費用を補助する。