富山大芸術文化学部は8月9日、中学生や高校生に向け、古代の青銅鏡の細かい文様がどのように作られたか考え、実験する体験講義を初めて行う。鋳型彫りや鋳造を体験できる内容で、受講生25人を募集する。鏡の鋳造方法は今でも解明されておらず、三船温尚(はるひさ)教授(鋳造技術史)は「中高生がどんなことを考えるか楽しみ」と話している。
鋳造は、溶けた金属を型に流し込んで製品を作る技術。古代に中国など東アジアで鋳造された青銅鏡は、裏面に細かくはっきりとした文様が浮き出ている。研究者らは古代の技術に迫ろうと議論や実験を重ねてきたが、当時とほぼ同素材の鋳型に細かくきれいな線を彫ることは難しく、完全な解明に至っていない。
講義は鋳物のまち・高岡市にある同大高岡キャンパスで、三船教授の研究を踏まえてクイズ形式で進める。
約2千年前~千年前の鏡や鋳型を、現物と写真で観察し、鋳型の素材や古代人の工夫を考察。実際に鋳型に文様を彫り、鏡を鋳造する。
日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~」の一環で、受講無料。22日までに、ひらめき☆ときめきサイエンスのホームページ(http://www.jsps.go.jp/hirameki/index.html)から申し込む。