「平成の大修理」と呼ばれる大規模な保存修理・震災対策事業を進めている南砺市城端の城端別院善徳寺は19、20の両日、完成間近の本堂修復現場を一般公開する。同寺は10月7~11日に本堂で親鸞聖人750回御遠忌法要を営むため、急ピッチで工事を進めており、本堂の修復現場公開は両日が最後の機会となる。
本堂は、屋根をこけら形の銅板にふき替える作業や壁の漆喰(しっくい)塗り、構造補強などが済み、工程の約9割は終わった。見学会は銅板ぶき屋根や本堂内部、本堂裏側の鉄骨を組み入れた補強部分などを回るコースと、体力に自信がある人向けに足場を上部まで登り、屋根の妻部分や本堂の点検通路を回るコースを設ける。
屋根の棟の両端に取り付ける獅子口(ししぐち)(高さ2・7メートル、幅3・4メートル)、箱棟に飾る本山・東本願寺の紋章「抱き牡丹(ぼたん)紋」も特別に公開。獅子口は古材を生かして作り直し、解体工事中に見つかった古い牡丹紋は金箔(きんぱく)を貼り直した。いずれも屋根上部に付け、足場を外してしまえば間近で見ることはできなくなるため、貴重な見学の機会となる。
見学会は両日とも午前9時から午後4時まで随時、山門で受け付け、設計監理や施工担当者が解説する。参加費は300円(保険料込み)。