古民家を活用した「農家レストラン大門(おおかど)」(砺波市大門)の敷地内にある土蔵の「なまこ壁」が、射水市小杉地区出身の左官、竹内源造(1886~1942年)の作とみられることが分かった。「大門素麺(そうめん)」や「よごし」といった郷土料理を提供するとともに、来店客に伝統的な建造物の価値を紹介していく。
源造作のなまこ壁は、砺波市出町地区の呉服店にもかつてあった。同市文化財保護審議委員の尾田武雄さんによると、土蔵の内側に設けられている点が一緒で、精密な造りが同地区のなまこ壁とよく似ている。
同店の古民家は1897(明治30)年に建築され、なまこ壁と擬石は大正期前後に造られたとみられる。石を並べたように模した壁「擬石」とともに良い状態で残っているのは珍しいとされる。
同店は3月にオープン。市内外から1日平均約60人が訪れ、砺波の食文化の魅力を発信している。
境貞雄代表は「来店客に郷土料理を提供する際、貴重な土蔵が残っていることも伝えていきたい」と話している。