「平成の大修理」が行われている高岡市伏木古国府の国重要文化財勝興寺は9日、同寺本坊の「大広間及(およ)び式台」の一般公開を行う。
保存修理は1998年から始まり、2020年度内に完了する見込み。04年に本堂、12年に台所が復元された。「大広間及び式台」はことし6月30日に修復が終わった。
屋根は明治20年代に瓦に葺(ふ)き替えられていたが、今回の修理では「こけら葺(ぶ)き」に戻した。「こけら板」と呼ばれる厚さ約3ミリのスギの板を重ねて竹の釘で留めた。
大広間は勝興寺に現存する最古の建物で、約320年前に建設された。修理に使った木材の約9割は、建設当時のものを再使用した。平面積約426平方メートル。儀式や会合を行う「広間」部分と、住職が客を迎える「対面所」からなる。対面所内の「上段の間」は住職のみ座ることができたという。
式台は、客を迎えるときの控え室として使われた。平面積約327平方メートル。材木などの状態から、大広間よりも約50年ほど後にできたとされる。
9日は、午前10時、同11時、正午、午後3時に、屋根と内部が公開されるほか、打ち割り製材など昔の大工技術を体験できる。本堂で午前10時から、人間国宝の石工、粟田純司さんの講演会も開かれる。