■首都圏販売へスイーツ試作
慶応大商学部の学生が日本製粉(東京)と連携し、南砺市産のサトイモ(里芋)でペースト状の食材を作った。産学連携による地産地消と地域ブランド確立を目指す取り組みで、同市城端の老舗菓子店「田村萬盛堂」などが協力し、ペーストを材料にスイーツを試作している。学生は商品化したスイーツなどを県や市の首都圏アンテナショップなどで販売することを計画する。
ペーストを作ったのは牛島利明教授のゼミ生でつくる「めぐるめ」プロジェクトの9人。ゼミ内には、過疎が進む利賀地域の課題解決や魅力発信に取り組むグループ「トガプロ」が以前からあり、南砺市と縁が深いことから、めぐるめのメンバーも南砺の特産品サトイモに着目した。
学生たちは規格外品も有効活用でき、1年中使える食材にしようと、日本製粉の技術で滑らかにすりつぶしたサトイモ100%のペーストを開発。来年4月から業務用として製品化が決まっており、学生たちは6月から販路開拓のため市内の菓子店などを巡り、ペーストを使った商品の試作を依頼してきた。
田村萬盛堂では求肥(ぎゅうひ)やケーキ生地にペーストを練り込み3品を試作。今月完成し、めぐるめの峯美紀子さん、古田美緒さん(4年)、中島果穂さん、織井春那さん(3年)が試食に訪れた。4人は自然な甘みでしっとりとした食感に手応えをつかみ、田村悟敏店主(69)も常連客の評判を聞きながらさらに完成度を高めたいと意欲を見せた。
峯さんは「農家や菓子職人の思いを感じ取ってもらえる商品にし、南砺の知名度アップに役立ちたい」と語り、商品化が決まればパッケージも一緒に考えたいと張り切る。
めぐるめは、ペーストに関心がある菓子店や食品会社をさらに募っている。問い合わせのメールアドレスは megurume.ushijima@gmail.com