魚津市相木の絵本作家、大成勝代さん(70)が、南砺市利賀地域の郷土玩具づくりを主題に、山あいの自然や住民の暮らしぶりなども描いた絵本「山のてんらんかい」を作った。「ひたむきな人々と美しい風景がある利賀は世界一。多くの人が訪れるきっかけになればうれしい」と願っている。
利賀の子どもたちが、木で玩具を製作している「じいちゃん」こと仁太郎(じんたろう)に教わってヘビや人形などのおもちゃを作り、森の中で展覧会を開くストーリー。ハナモモが満開となった里山や春祭りの獅子舞などを、大成さんがクレヨンで温かく描いた絵がふんだんに掲載されている。
大成さんは、そばによる利賀の地域活性化を手掛けた元電通富山支社次長の故奥野達夫さん(前南砺市福光美術館長)の妻。夫婦で何度も利賀に足を運ぶうちに、利賀の魅力を物語で表現したいと思うようになり、南砺市利賀村上畠の郷土玩具職人、故中谷仁太郎(にたろう)さんをモデルに絵本を作った。奥野さんが監修し、協力して地域活性化に取り組んだ元利賀村職員で中谷さんの長男の信一さん(67)が助言した。
信一さんは「利賀の風景や暮らしの素晴らしさをあらためて表現してもらった。利賀の応援歌ともいうべき絵本になっている」と喜んでいる。
発行元は桂書房で、県内の主な書店で購入できる。定価は1200円(税別)。