「ドラえもん」「パーマン」などで知られる高岡市出身の漫画家、故藤子・F・不二雄さんの足跡と作品世界を紹介する「高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」が1日、市美術館2階でオープンした。待ちわびた県内外のファンらが、藤子さんの原点となる高岡時代の貴重な作品や、ベレー帽などの愛用品に見入った。
ギャラリーは、市が美術館2階フロア約300平方メートルに開設。高岡で過ごした20歳までの創作活動の軌跡や、夢に満ちた作品の魅力を原画(複製含む)47点と実物資料16点(同)、映像などで伝える。
少年時代の作品は、初公開の肉筆漫画冊子「妖怪島」をはじめ、回覧誌「少太陽」、北日本新聞に投稿した4こま漫画などを紹介。訪れた人たちは1点1点じっくりと鑑賞していた。
富山市西金屋の市川静子さん(67)は「立派なギャラリー。原画だけでなく動くデジタル画像もあって、大人も小さい子どもも楽しめる」と話し、夜行バスで来たという千葉県君津市の会社員、金光美緒さん(32)は「先生の私物がたくさんあって見応えがある」と喜んだ。
オープニングセレモニーで高橋市長が「市民が待ちに待っていたギャラリー。楽しんでいただきたい」とあいさつ。藤子さんの長女、土屋匡美さんは「父の多感な少年のころの素晴らしい資料が飾ってあり感動した。父の昔のことを少しでも分かってもらえたらと願う」と祝辞を述べた。寺林副知事、伊藤善章藤子・F・不二雄プロ社長があいさつし、関係者でテープカットした。