福井県若狭町の三方湖で6日、竹ざおを水面に打ち付けコイやフナを網に追い込む「たたき網漁」が始まった。漁師たちは冷たい空気を切り裂くように竹ざおを振り下ろし、水しぶきを上げた。
たたき網漁は、水面を竹ざおでたたくことで、水温が低下し動きが鈍くなっている魚を驚かせ、仕掛けた刺し網に追い込む冬の風物詩。例年1日に始まるが、今年は水温が高く、湖面にヒシが残っていたため5日遅れの解禁となった。
6日は、鳥浜漁協の5隻が出漁。約300メートルに渡って刺し網を仕掛けた後、船を走らせながら長さ4~5メートルの竹ざおで湖面をたたきつけた。網を引き揚げると体長60センチほどのコイや40センチのフナが姿を現し、漁師たちは笑顔を見せた。
同漁協の増井増一組合長(68)は「寒くなるほどたくさん捕れやすくなる。コイもフナも特に1月ごろに脂がのっておいしくなるので、その時季の大漁を期待したい」と話していた。
漁は来年3月末まで続けられ、魚は地元の料理店などに出荷される。