南砺市福野文化創造センターで、地元文化のシンボルとして展示されたきた福野夜高行燈(あんどん)が22日、19年ぶりに更新され、唐獅子やボタンの花をかたどった極彩色の姿がお目見えした。
福野夜高祭を彩る夜高行燈は、1991年3月の同センターオープン以来、通路に設置され、祭りの由来を紹介する木製看板とともに、福野の伝統文化をアピールしてきた。96年に更新した際には、阪神大震災被災地の神戸市で引き回され、市民を元気づけた。
その行燈がそのまま設置されてから19年たち、色がだいぶ薄くなってきたため、市が福野夜高祭連絡協議会(山辺美嗣会長)に依頼し、更新することにした。製作は、過去2回と同様、祭りを受け継ぐ7町のうち横町夜高保存会(川原一博会長)が担当した。
竹の骨組みに、厚めの五箇山和紙を貼り、ろうで下絵を描く「ろう引き」をした後、赤や青、黄色で彩った。最上部には唐獅子とボタンの花を、前後には、扇と松竹梅で周囲を飾った酒だる、横町のシンボル「鼓太鼓」の飾り物を配置した。高さ約8メートルで、祭りに登場する大行燈より1・5メートルほど大きい。内部に電球約230個を設置し、ライトアップできる。製作費は179万円。
同保存会メンバーら十数人が2カ月がかりで作り、22日に同センターで組み立てた。