高岡市横田本町の映像制作会社代表、金森正晃さん(35)が来年、市が誇る伝統産業、高岡鋳物の鋳物師(いもじ)を主人公にした映画「デンサン!」を撮影する。"ものづくりの街・高岡"の伝統と革新をテーマにした長編で、主要キャストに人気お笑い芸人を起用し、高岡市民が脇を固める。2017年春開催予定の沖縄国際映画祭に出品する予定で、「革新を伝統へと変えていこうとする高岡のものづくりの今を描きたい」と意気込んでいる。
金森さんは、地元テレビ局にカメラマンとして約10年間勤務した後、2年前に独立して映像制作会社「富山映像大仏兄弟」(高岡市昭和町)を立ち上げた。仕事上で付き合いのあった吉本興業グループの「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」の社員から、同社と関わりが深い同映画祭への出品を勧められ、挑戦することを決めた。
高岡鋳物発祥の地である金屋町に住む12代目の鋳物師を主人公に据え、伝統を受け継ぎながらも革新に挑む姿を描く。高岡鋳物の分業制にも着目し、ものづくりに携わる様々な人たちのアイデアや努力が新しいヒット商品を生み出すまでのストーリーで、90分~120分の作品になると見込む。
よしもとクリエイティブ・エージェンシーのバックアップを受け、主人公ら主要なキャストには吉本興業所属の人気芸人に出演を依頼。高岡市でものづくりに取り組む人たちが脇役で登場し、美しい風景も随所に織り込んで富山県や高岡市を全国にアピールする作品に仕上げる計画だ。
現在、脚本づくりを進めており、来年早々にも製作委員会を立ち上げ、夏から秋にかけて撮影する予定だ。金森さんは「高岡市民の手で高岡の魅力を表現した映画を目指す。地元の子どもたちに『伝統産業ってかっこいい』と感じてもらえる作品にしたい」と話している。