明治期創業の高澤酒造場(氷見市北大町)で新酒の仕込みが最盛期を迎え、7日は高澤龍一蔵元杜氏や蔵人4人が作業に精を出した。需要の高まりを受け、3月上旬までに前年比25%増の約4万5千リットルを醸造する。
作業は毎朝5時に始まり、7日は麹(こうじ)づくりのほか、大型タンクが並ぶ大正期からの土蔵でもろみの温度を均一にする「櫂(かい)入れ」を行った。酒米は氷見市早借産「富の香」や南砺市産「山田錦」などを使う。
今季は暖冬のため、酵母の発酵が早まるなどの影響が出ており、雑味を生まないよう温度管理に細心の注意を払う。高澤杜氏は「氷見の食に合うより良い酒を追求したい」と話した。
同酒造場は容器の中にもろみを入れた袋を積み重ね、初めはその重みだけで酒を搾り出す「槽(ふな)搾り」の技法を用い、「有磯曙」銘柄の日本酒を製造している。