氷見魚ブランド対策協議会(会長・森本太郎氷見漁協組合長)は4日、判定委員会を開き、「ひみ寒ぶり」漁の宣言はブリの不漁により、今シーズンは出さないことを決めた。漁獲本数は昨シーズンの10分の1以下で、宣言をしないのは2011年度のブランド制度導入以来初めて。
今シーズン、氷見漁港に水揚げされたブリは昨年11月~今年1月末までで3528本で、百本以上のまとまった水揚げがあった日も4、5日程度だった。
4日も水揚げは十数本と少なく、大きさも6~7キロと小ぶりだった。判定委員会は漁業者と仲買人、氷見漁協の9人で構成。魚体や数量などを総合的に考慮し、本年度は「『ひみ寒ぶり』として取り扱いできる状態ではない」と判断し、宣言を見合わせた。
氷見漁協は「関係者や消費者に大変迷惑を掛けたと思うが、商標登録し、ブランド魚として管理、販売している以上、中途半端な状態では宣言できない」と説明。「今後は来シーズンに向け、豊漁を祈るとともに、管理体制をしっかりと整え、ブランド維持に努めたい」としている。
ブランド制度は産地偽装問題の再発防止策として始めた。名称を「ひみ寒ぶり」に統一し、商標入りの専用出荷箱や販売証明書を導入。判定委が漁の開始と終了を宣言する仕組み。