12日に始まる企画展の会場。水本さんが制作した石仏などが並ぶ

12日に始まる企画展の会場。水本さんが制作した石仏などが並ぶ

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「金屋石」仏像に匠の技 12日からとなみ散居村ミュージアムで企画展

北日本新聞(2016年3月12日)

 となみ散居村ミュージアムの企画展「石匠(せきしょう)の技-水本一太郎石像彫刻展」が12日、砺波市太郎丸の同ミュージアムで始まる。かつて庄川地域で採掘された金屋石で石仏を掘り続けた石工、故水本一太郎さんの足跡を紹介する。6月30日まで。

 水本さんは1926(大正15)年、東山見村(現砺波市庄川地域)で生まれ、終戦後に家業の石材業に携わった。30歳ごろから、緑色凝灰岩の金屋石を使って石仏を彫り始めた。薬勝寺(同市安川)の五百羅漢像の130体を含め、生涯で350体を超える石像を制作した。

 庄川町と交流していた鹿児島県知覧町(現南九州市)に金屋石の「庄覧平和観音像」を寄贈し、特攻基地があった同町の公園に飾られた。水本さんは海軍時代、朝鮮半島に向かう海上で攻撃を受け、九死に一生を得た経験があり、観音像に平和の願いを込めたという。

 展示では金屋石を中心に花崗岩(かこうがん)や砂岩などで制作した37体を紹介。庄覧平和観音像と同時期に彫った白衣観音像をはじめ、弘法大師や恵比須、大黒天、地蔵菩薩などの像が並ぶ。水本さんが工房で制作する様子を撮影した写真や生前に使っていた道具、石像の下絵も紹介する。

 日本石仏協会理事の尾田武雄さん(砺波市太田)は「水本さんが手掛けた石像は穏やかで優しい表情が特長で、金屋石の良さを引き出している」と話す。水曜、第3木曜休館。入館料は100円(高校生以上)。問い合わせはとなみ散居村ミュージアム、電話0763(34)7180。

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