福井県敦賀市に春を告げる「花換まつり」は1日、同市の金崎宮で始まった。咲き始めたソメイヨシノの下、福娘が来場者と桜の小枝を交換し、願いごとの成就を祈った。
花換えは、明治時代に花見に訪れた男女が「花換えましょう」と声を掛け合い、桜の小枝を交換して思いを伝えたのが始まりとされる。100年以上の歴史を持ち、同宮は「恋の宮」とも呼ばれる。
今年は福娘に山本佳奈さん(21)=敦賀市、久る島(くるしま)美樹さん(26)=同、石田かれんさん(23)=福井市=ら5人が選ばれた。
この日は点灯式でまつりの開幕を祝った。境内には約400本のソメイヨシノがあり、5分咲きほどの桜も。敦賀観光協会の増田一司会長は「この日を待ちわびていたかのように一斉に桜が咲き始めた。まつりが敦賀に一層のにぎわいを呼び込んでほしい」とあいさつした。渕上隆信市長ら関係者でライトアップのスイッチを押すと、ぼんぼりが桜を幻想的に浮かび上がらせた。
まつりは15日までで、福娘との花換えは毎日午前10時から午後4時まで。ライトアップは午後6時から同10時。土日を中心に催しが開かれる。2日は午後3時から、しの笛奏者佐藤和哉さんのミニライブが行われる。