明治期に建設された旧中越銀行本店を生かした砺波郷土資料館の内装・建築に焦点を当てた特別展「旧中越銀行本店 内部装飾の美」が22日、砺波市花園町の同館で、となみチューリップフェアに合わせて始まった。当時の宮大工らが和の技を結集し、優美な洋館風に仕上げたことを紹介している。6月5日まで。
明治期には、横浜や神戸などの異人館を見た日本の大工が、和と洋が混在した「擬洋風(ぎようふう)建築」を見よう見まねで建てていたことを紹介。1909(明治42)年、東砺波郡出町(現砺波市本町)に建てられた中越銀行本店も、木造の土蔵造りでありながら内部は洋風の装飾となっている。アカンサス(ハアザミ)をモチーフにしたこて絵、木彫刻の階段手すり、天井などに職人の和の技術が駆使されていることを伝え、建築を手掛けた宮大工・藤井助之丞(すけのじょう)の設計図や大工道具なども展示する。
中越銀行本店は北陸銀行砺波支店となり、都市計画のため取り壊されそうになったため砺波市に寄付され、78年に現在地に移築された。
資料館はチューリップフェア会場となるため、5月5日までは同フェア入場券が必要。