砺波市教育委員会は2014年に徳万頼成遺跡(同市頼成)で発掘された縄文時代中期の土偶を忠実に再現したレプリカ(複製品)を制作した。土偶は全身像がほぼ残る状態で、ほほ笑んで見えることから「ほほ笑みの土偶」の愛称で親しまれている。28日から市埋蔵文化財センター(同市頼成)で常設展示している。
レプリカは繊維強化プラスチック製で、本物と同じ高さ9センチ、幅5センチ。型取りして作り、素焼きの質感やはく離痕も再現した。目切遺跡(長野)など全国で出土した土偶を参考に、本物では欠けている手と足を復元し、つぼを持たせた別のレプリカも作った。
土偶の本物は県埋蔵文化財センター(富山市)に所蔵されている。砺波市教委が借用して特別展示することがあるが、普段は市内で見ることができない。土偶目当てに市埋蔵文化財センターを訪れる人も多く、市民から「土偶を見たい」との要望を受け、15年に京都の専門業者に制作を依頼した。
土偶は頭と胴体がつながっており、三角形の顔に目や鼻、眉毛、口、耳が描かれている。腹が出ており、妊婦をかたどっている可能性がある。
初日は庄東小学校の4年生が見学し、市教委生涯学習・スポーツ課の野原大輔学芸員が解説した。児童は「近くでこんな土偶があったなんてすごい」などと話していた。