南砺市の福野夜高祭は最終日の2日、同市福野地域中心部の上町通りで、大行燈(あんどん)(高さ6・5メートル)を壊し合う「引き合い」(けんか)を繰り広げ、激しい応酬で大勢の見物人を沸かせた。
同日深夜、引き回しを終えた7本の大行燈のうち、辰巳町、浦町、横町の3本が通りに並んだ。新町、上町、七津屋の3本がその横を通り、擦れ違いざまに若連中が相手の行燈をたたいたり、蹴ったりしていた。中立の御蔵町は待機して見守った。
「引き合い」は、夜高祭ゆかりの福野神明社の神様がけんか好きであることが由来とされ、この祭りの華として親しまれている。
3日は福野神明社春季祭礼・本祭りの曳山(ひきやま)巡行(北日本新聞社共催)があり、昨年復活した屋台引き回しが今年も行われる。午前10時から中心部の通称「銀行四ツ角」で出発式をした後、神明社へ向かう。
■馳文科相が祭り風情を満喫
馳浩文部科学相は2日、福野夜高祭が開かれた南砺市福野地域中心部を訪れ、田中幹夫市長ら同市関係者と交流を深めながら、祭りの風情を味わった。
同市福野地域と接する小矢部市出身の馳文科相は、大の夜高祭ファンとして知られ、この日も国会日程と外遊の合間を縫って訪れた。
同市福野(上浦町)の料亭末広で開かれた南砺、金沢両市の交流会では、「この場を楽しみにしてやってきた」と、笑みを浮かべた。前日に熊本地震の被災地を訪れていたことを説明し、「熊本の酒などを消費するという形の貢献もある。被災地のことを忘れずに応援しよう」と呼び掛けた。