国重要無形民俗文化財の城端曳山(ひきやま)祭は5日、南砺市城端地域中心部で本祭が行われた。山町6町の絢爛(けんらん)豪華な曳山が「越中の小京都」と呼ばれる町を練り回り、大勢の観光客を魅了した。
剣鉾(ほこ)や傘鉾、神輿(みこし)に続き、東下町の「東耀山(とうようやま)」を一番山に、出丸町、西下町、東上町、大工町、西上町の曳山が順に城端別院善徳寺前を出発。車輪をきしませながら通りをゆっくりと進んだ。夜には提灯(ちょうちん)山となり、しっとりとした風情を漂わせながら巡行。昼とは趣を変えた姿に多くの人が見入っていた。
各町の若連中は、茶屋や料亭を模した庵(いおり)屋台で曳山と共に巡った。「所望宿(しょもうやど)」の前に来ると軒先に屋台を横付けし、伝統の庵唄を披露。三味線や篠笛(しのぶえ)が奏でる粋な音色に乗せ、情感豊かにうたい上げた。
城端曳山祭は城端神明宮の春季祭礼で、約300年の歴史がある。国がユネスコに無形文化遺産登録を提案している全国33件の「山・鉾・屋台行事」の一つで、登録の可否は11~12月の政府間委員会で審議される。