飯田市追手町の市美術博物館が、伊那谷に分布する岩石を体系的に紹介する「伊那谷の岩石園」を同館西側の敷地一角に開設した。岩石が属する地質帯を示した説明板と合わせ、代表的な岩石標本25点を並べている。
岩石園は長さ約30メートル、幅約1・5メートルの細長い敷地内に設けた。「領家(りょうけ)帯」「濃飛流紋岩類(のうひりゅうもんがんるい)」といった地質帯ごとに区切り、岩石標本を配置した。
標本はいずれも直径50〜60センチほど。地中深くでマグマが冷え固まった「花こう岩」や、海底に積もった泥でできた「泥岩」、泥岩が変化した「黒色片岩(こくしょくへんがん)」などが見られる。大半は今回の展示のために新たに採取したという。
説明板は子どもたちにも読みやすいよう、振り仮名を付け、地質帯ごとに色分けした。「30メートル歩くだけで伊那谷の岩石が分かる」と同館。見学無料で同館の休館日でも見られる。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。