長野県下伊那郡阿南町新野の村松輝俊さん(78)の庭に植わるイチョウ「十九庵(じゅうくあん)の大銀杏(いちょう)」の葉が鮮やかな黄に色づいている。2日は時折雲間から差し込む陽光を受けて葉が輝き、周辺で咲き誇るドーム形の菊の花と共演していた。
イチョウは町の天然記念物で樹齢は推定600年。高さは約25メートル。村松さんによると昔から地域の人たちに親しまれている大木で、自身も木登りをして遊んだという。今でも町内の保育園児が黄葉(こうよう)を見に訪れたり、県内外から写真愛好家らが集まる。
一帯は標高約800メートル。今年は例年より5日ほど遅い10月25日ごろに色づき始めた。「けさは気温が3度ぐらいで冷え込んだから色が一気に深まってきた。これから大霜が降りて葉が散り果てる光景も見応えがありますよ」と村松さん。イチョウはあと1週間ほど楽しめそうという。