気迫のこもった演技に観客が釘付けになった大鹿歌舞伎の春の定期公演

気迫のこもった演技に観客が釘付けになった大鹿歌舞伎の春の定期公演

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「待ってました!」 大鹿歌舞伎、観客包む高揚感 迫真の演技に拍手とおひねり 春の定期公演

信濃毎日新聞(2024年5月4日)

 下伊那郡大鹿村に江戸時代から伝わる地芝居「大鹿歌舞伎」(国重要無形民俗文化財)の春の定期公演が3日、同村大河原の大磧(たいせき)神社であった。「待ってました!」との歓声と大きな拍手に出迎えられて演技は始まり、約800人が埋めた観客席は高揚感で熱気を帯びた。

 上演した演目の一つ、「一谷嫩(いちのたにふたば)軍記熊谷陣屋の段」は、源氏方の武将・熊谷直実(なおざね)が、源義経への忠義を果たすため、自分の子どもを殺すことになった物語だ。武士道を貫いた直実が息子を失ったことを苦悩して出家を決意する場面では、演者の迫真の演技に観客からおひねりが飛んだ。

 今年で3回目の来場となる浜松市の横井康雄さん(85)は「完成度の高い演技と観客が一体となる様子が素晴らしい」と絶賛。平家方だが幼少期の義経の命を救った老人「弥陀六(みだろく)」を初めて演じた丸山翔さん(38)は「自分なりの弥陀六をできるよう勉強した。多くの観客に見てもらえ達成感がある」と述べた。

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