南砺市の城端曳山(ひきやま)祭を受け継ぐ町の一つ、東下町の若連中「宝槌(ほうてつ)会」が、一昨年と昨年に続く東京・神楽坂での庵唄披露に向け、最後の追い込みに入っている。城端庵唄の源流は江戸端唄(はうた)とされ、"里帰り公演"ともいえる晴れ舞台で美しい唄と演奏を響かせたいと張り切っている。
この催しは、東京・神楽坂の町並みを舞台とした「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」。12、13の両日、津軽三味線、雅楽、薩摩琵琶などの伝統芸能団体、グループが集まり、街角でライブを繰り広げる。
庵唄は城端曳山祭で曳山と共に巡行する庵屋台で披露してきた。宝槌会の15人は祭りと同様に紋付き、はかまの正装で「神楽坂」に参加。町流しで江戸端唄の「五月雨(さみだれ)」のほか、「花筏(いかだ)」を三味線やしの笛とともに響かせる。
9日夜、同市城端(大工町)の「じょうはな庵」に松平崇司会長(34)らが集まり、詰めの練習をした。松平会長は「城端の魅力を伝え、来年春の祭りに足を運んでもらえたら、うれしい」と話していた。