雪壁を写真に収める旅行業者ら

雪壁を写真に収める旅行業者ら

 立山黒部アルペンルートが閉鎖する冬の観光誘客を目指し、立山町や町観光協会、鉄道各社などでつくるマーケティング推進協議会は22日、タイから招いた旅行業者や人気ブロガー計6人に町内を案内した。24日まで、タイにはない積雪をはじめ、歴史や文化、食など地域の多彩な魅力を伝える。

 昨年のアルペンルートの外国人客は、前年比13%増の24万2千人で過去最高。タイは12%増の1万8800人で、台湾、香港に次いで多かった。町は伸びしろの大きい訪日旅行者の受け入れに力を入れており、経済成長著しいタイに着目した。

 初日は芦峅寺が舞台になった。立山博物館で、学芸員が立山信仰で使われた立山曼荼羅(まんだら)を解説。参加者は、近くの遙望館一帯を除雪して作られた高さ1~2メートル、延長約300メートルの雪壁「雪の小谷」を歩いた。高さ20メートルに迫る室堂の「雪の大谷」について説明を聞き、カラースプレーで雪に絵を描いたり、スノーキャンドルを作ったりして楽しんだ。

 立山芦峅ふるさと交流館では郷土料理を味わい、護符作りを体験した。バンコクの旅行代理店に勤めるピン・クラナンさん(28)は「雪がたくさんあり、良い写真が撮れた。会社のウェブサイトに載せるとタイから大勢の人が来てくれると思う」と話した。

 23、24日は陶芸体験や寒餅作りの見学、意見交換などを予定している。

 事業は現地へ情報発信してもらうと同時に課題を洗い出すのが狙いで、観光庁の「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」の採択を受けて取り組む。協議会は来冬に向け、体験型旅行商品を開発する。

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