サバなど使った福井県小浜市の加工品「魚のしょうゆ干し」を広くアピールしようと、市がPR活動に力を入れている。21日には京都市内で調理体験や「みりん干し」と食べ比べをしてもらう出張講座を開き、好評を得たという。今後も関西圏での催しを通じて水産物を地道に浸透させる方針だ。
しょうゆ干しは、サバをはじめアジやアナゴなどを、しょうゆベースの液に漬けて干した加工品。小浜市を中心にポピュラーな1品としてスーパー、飲食店などで販売されている。
出張講座は小浜魚商協同組合と連携し、「京の食文化ミュージアム・あじわい館」=京都市下京区=で開催。同市中央卸売市場の市民サポーター会員約50人が参加した。
鯖街道の歴史やサバの養殖事業を紹介した後、サバのしょうゆ干しの加工を体験してもらった。濃い口しょうゆと酒を同じ割合で混ぜた液に、内臓を取ったサバを漬け込みゴマをふりかけて干していった。
体験用とは別に持参した加工済みのサバを焼き、みりん干しと食べ比べてもらった。大半が初めてしょうゆ干しを食べたという参加者からは「みりん干しよりふっくらで、素材のうまみが味わえる」「シンプルなのにおいしい」「ご飯にも酒にも合いそう」などと好評だったという。
小浜市は「若狭もん」というキーワードを掲げた特設ホームページの開設や出張講座に続き、2月下旬に京都市で行われる「魚(とと)フェス」に出展してしょうゆ干しやささ漬け、へしこなどを紹介する。今後、京都の市場関係者向けにも試食会を開く予定だ。
市農林水産課の担当者は「出張講座でサバのしょうゆ干しが京都でも通用する手応えがあった」とした上で、「市内では養殖サバの刺し身、市内外ではしょうゆ干しが浸透するよう地道にPRしていく」と話している。