福井県おおい町出身の直木賞作家、故水上勉さんが集めた花の絵画を並べた収蔵品展「花のころ」が、同町岡田の若州一滴文庫で開かれている。サクラやウメなど春を感じさせる約30点を展示している。5月1日まで。
水上さんの著書の表紙絵や挿絵などとして描かれた作品を中心に、約10人の画家の作品が並ぶ。
小説「在所の桜」のカバー画となったサクラの絵は、日本画家で文化勲章受章者の故秋野不矩さんの作。花びらの色に濃淡をつけ、咲き誇るサクラの花を写実的に表現している。
ウメの墨絵は、僧侶の故春見文勝さんが描いた。枝は力強い筆致で表す一方、満開の花は細く描いており、筆遣いに特徴がある。
ほかにも、水上さんが描いた花の絵を印刷したはがきなども展示し、訪れる人の目を引いている。