福井県若狭町の鳥浜貝塚で出土した約6100年前の赤色漆塗り櫛(国重要文化財)の特別公開が4月27日、県立若狭歴史博物館(小浜市)で始まった。縄文時代前期の高度な漆工技術を示している。5月6日まで。
1975年に県の発掘調査で出土した。同博物館では2年ぶりの展示となる。漆が脆弱な素材のため、期間限定で紹介している。
櫛は長さ8・9センチ、幅7・8センチ、厚さ1センチ。ヤブツバキの平板を削った木地に、漆を3層に塗り重ねている。不老や豊穣の象徴だったシカの角をモチーフとした9本の突起がある。
放射線炭素の分析によって約6100年前に作られたことが判明した。会場では櫛が出土した土壌の特徴や分析方法、当時の歴史的背景などもパネルで紹介している。
展示は午前9時~午後5時。観覧料は一般・大学生300円。