江尻豊治についての資料の展示作業をする職員=西田美術館

江尻豊治についての資料の展示作業をする職員=西田美術館

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おわら歌い手・江尻豊治資料展示へ 上市の西田美術館

北日本新聞(2018年8月10日)

 西田美術館(上市町郷柿沢)は15日、越中おわらの歌い手の名手、江尻豊治(1890~1958年)の資料展示コーナーを開設する。孫の酒井博さん(76)=富山市八尾町東町=から寄贈を受けたレコードや写真パネルを飾るほか、歌声が味わえる試聴コーナーも設け、江尻の活躍の歩みを振り返る。

 江尻は富山市八尾町東町で生まれ、大阪での浄瑠璃修業を経ておわらの歌い手になった。上句と下句を中継ぎ一息で、出だしから甲高い声で歌い切る「江尻調」と呼ばれる手法を確立した。現在、一般的に歌われているおわらの節回しの礎を築いたとされる。レコーディングは13回行い、おわらの知名度を高めた。

 酒井さんは上市町で高校、大学時代を過ごすなど同町と縁があり、西田美術館の運営を全面的に支援している富士化学工業(同町)の西田光徳会長兼社長と交流があることから、資料を寄贈することにした。会場では、27~49年に収録された9枚のレコードや、酒井さんが所有する写真を10点のパネルにし、レコーディングや歌う様子を紹介している。レコードは音源をデジタル化し、全曲をヘッドホンで聴くことができる。野口雨情ら八尾に滞在したことがある文人の色紙や軸もある。

 酒井さんは「後世のおわらの研究のために、後進の参考になればうれしい」と言う。遠藤直孝館長は「おわらの天才と言われた豊治の歌を聴き、芸の奥深さを感じてほしい」と話している。11日には関係者向けの内覧会がある。レコードの収録曲はCDにし、コーナーがオープンする15日から同館で有料で頒布する。

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