飯田市南信濃で養殖しているトラフグ。12月から「かぐらの湯」で料理の提供を始める=24日

飯田市南信濃で養殖しているトラフグ。12月から「かぐらの湯」で料理の提供を始める=24日

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飯田「温泉育ちフグ」身ほっこり 「かぐらの湯」料理提供へ

信濃毎日新聞(2018年10月25日)

 トラフグの試験養殖に取り組んできた飯田市南信濃振興公社は12月1日、運営する日帰り温泉施設「かぐらの湯」のレストランでフグ料理の提供を始める。地元で湧出する塩分濃度が高い温泉水を使って2011年から飼育し、安定した出荷が見込める技術を確立した。「里山育ち」のフグの特産化―という7年越しの夢が第一歩を踏み出す。

 昨春から試験養殖を担当するレストラン料理長の牧内厚達(こうたつ)さん(48)によると、トラフグの稚魚は環境の変化に敏感とされるが、温泉水の塩分濃度や酸度になじませ、ほぼ温泉水だけで飼育するノウハウを確立。昨年度は市の補助金を受けて新たにコンクリート製の水槽2基も整備し、少量ながら安定的な出荷が可能になった。稚魚は愛知県の養殖業者から仕入れ、現在は約350匹を飼育している。

 この養殖トラフグは「秘境遠山の神ふぐ」と名付けた。フグ料理はコースで提供。ふぐ刺しのほか、唐揚げや茶わん蒸し、鍋がある。牧内さんは「身はほっこり、ふっくらした食感。特に火入れをした料理でフグの魅力を味わってもらいたい」と強調する。

 予約制で11月20日から受け付ける。1組4〜8人程度。コースでは遠山地鶏や信州サーモンなどの地元食材も味わえる。料金は1人約1万円。問い合わせは牧内さん(電話0260・34・5455)へ。

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