すべて散れば降雪のサイン―。福井県勝山市野向町薬師神谷にある市天然記念物「薬師の大いちょう」の黄金色に色づいた葉が風に舞い始めている。地元では本格的冬の訪れを知る目安とされ、住民らは「雪もそろそろ」と"有終の美"を楽しんでいる。
イチョウは薬師神社、白山神社が並ぶ境内にあり、幹回り7メートル70センチ、高さ約20メートルの大木。樹齢は約500年ともいわれる。境内にあるもう一本のイチョウはすでに葉が全て落ちたが、このイチョウは11月28日ごろからようやく落葉し始めた。
風が吹くと黄色の葉が雪が舞うように落ち、地面を黄金色に染める。同区の山内則人区長(70)は「雪囲いは『枝に葉が付いているうちはしなくてもいい』と言われるほど。今は暖かいけれど雪も近いのかも」と大木をカメラで撮影していた。
今週末には全て散り、勝山にも本格的な冬が到来しそうだ。