レストランで提供された料理。記録を基に再現した10品がお膳に並んだ

レストランで提供された料理。記録を基に再現した10品がお膳に並んだ

長野県 伊那路 グルメ

高遠藩主の献立、170年の時を超え 伊那のレストランで再現

信濃毎日新聞(2018年12月12日)

 伊那市高遠町藤沢で、地域の女性13人が営む農家レストラン「こかげ」は11日、地元の御堂垣外(みどがいと)宿本陣に1845(弘化2)年に宿泊した旧高遠藩主・内藤頼寧(よりやす)に振る舞ったとされる献立を再現し、初めて客に提供した。当時の食材などの記録を基に、マグロの漬けや野菜のぬたあえなど10品を作り、南信地方から来店した9人の客が170年余り昔に思いをはせながら味わった。

 頼寧は参勤交代の帰路に本陣に3泊したとされ、その際に味わった計9食の記録が残る。地元の歴史を守りたいと、同店代表の藤沢宗子さん(69)らが記録を頼りに食材が運ばれた経路や調理方法を推測しながら、献立の一部を再現。日持ちするよう塩漬けしたブリの照り焼きのほか、しょうゆがまだ珍しかった当時を思い、豆腐の煮物は同店自家製のみそのたまりで味付けして提供した。

 来店した上伊那郡箕輪町の小林耐子(たえこ)さん(71)は「手間暇かけて作った様子が伝わり、当時の暮らしが思い浮かぶ」。献立を記した冊子を保管し本陣跡で暮らす藤沢節子(さだこ)さん(89)も訪れ、「こうした取り組みを通じて、私たちは時代の流れを見つめられる」と話していた。

 再現した献立は5人以上の要望があれば1人7千円で提供する。キノコなど使用する旬の食材がなくなり次第、終了する。

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