宝達丘陵方面の山並みが平らに変形して見える春型蜃気楼。海面付近は船が反転するなど冬型蜃気楼が現れている=16日午前10時半ごろ(魚津埋没林博物館提供)

宝達丘陵方面の山並みが平らに変形して見える春型蜃気楼。海面付近は船が反転するなど冬型蜃気楼が現れている=16日午前10時半ごろ(魚津埋没林博物館提供)

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春型蜃気楼12月初観測 魚津、冬型と共演

北日本新聞(2018年12月17日)

 16日午前10時10分から同11時半ごろにかけ、魚津市の海岸で、富山、射水市方面に春型蜃気楼(しんきろう)が観測された。5段階(A~E)のEランクだった。魚津埋没林博物館によると、12月に春型が観測されるのは初めてで、データが残る1992年以降最も遅い。冬型も現れ、富山湾では珍しい"春と冬の共演"となった。今年の発生回数は過去最多を更新しており、この日で42回目。

 宝達丘陵方面の山並みがやや伸び上がり、春型と確認された。海面付近では朝から夕方まで冬型が現れ、船や工場が反転して見えた。

 同館によると、春型蜃気楼は4、5月を中心に見られ、これまで最も遅い観測は11月7日(2009年)だった。海面近くの冷たい空気層の上に温かい空気層が入り込む「上暖下冷」が発生条件とされる。冬型は真逆の「上冷下暖」で、季節を問わず起こり、冬はより大きく変化する。

 この日は海面付近が温かい冬型の条件だった。同館は、通常の春型とは違う条件で発生したと推測。温度差が大きい空気層「逆転層」が、この日変化した山並みの高さに存在していたことなどが一因とみている。

 佐藤真樹学芸員補(33)は「富山湾ではあまり見られない光景に出会えた。さらに詳しく調べたい」と話した。

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