藩政期の風習を伝える鏡餅=金沢市天神町1丁目の田井菅原神社

藩政期の風習を伝える鏡餅=金沢市天神町1丁目の田井菅原神社

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新春祝う藩主献上の鏡餅 金沢・田井菅原神社で再現

北國新聞(2018年12月24日)

 加賀藩12代藩主前田斉広(なりなが)に献上したとされる鏡餅が23日、金沢市天神町1丁目の田井菅原神社で再現された。田邊良和宮司(51)らがろうでできた紅白の餅をうずたかく積み、拝殿が一足早く新春の華やかな雰囲気に包まれた。
 鏡餅は丸とひし形の餅計50個を高さ1・2メートルに積み上げた「床(とこ)飾り餅」、台形の紅白餅を重ねた「櫓(やぐら)餅」、松の木をあしらった「蓬莱(ほうらい)飾り」の3種類一そろいで、現代の金沢の鏡餅とは逆の「上に白、下に紅」の順に餅を重ねる。
 田邊宮司や総代の野村久直さん(75)、金沢観光ボランティアガイドの会「まいどさん」のメンバーら約20人がイセエビやダイダイ、昆布などの縁起物で飾り付けた。その後、田邊宮司が付近住民ら約30人に鏡餅の描かれた古文書を披露し、鏡餅の特徴や献上した由来を説明した。
 1802(享和2)年、藩主となった斉広が藩内で初めて迎える新春を祝うため献上されたと伝わる。同神社では1997年から、神社に残る古文書や絵図を参考に鏡餅を再現している。1月末まで飾られる。

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