家人から新年のあいさつを受ける面様=輪島市輪島崎町

家人から新年のあいさつを受ける面様=輪島市輪島崎町

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ユネスコ登録後初「面様年頭」 輪島

北國新聞(2019年1月15日)

 昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「能登のアマメハギ」の一つとして登録された面様年頭は14日、輪島市輪島崎(ざき)町、河井町で行われた。奇面を着けた児童や大人が「面様」となって家内安全や無病息災を祈り、厄をはらった。登録後初の面様年頭となり、住民は地元に伝わる民俗行事の継承へ誓いを新たにした。
 漁師町の輪島崎町では、地元の鳳至小5、6年の男児計4人が2人一組となり、午前と午後で面様と付添人役の「袋持ち」を交代して務めた。児童は「串(くし)柿(がき)」「女郎(じょろう)」と呼ばれる夫婦(めおと)面を着け、輪島前(さき)神社でおはらいを受けた後、行事のしきたりに従い無言のまま山側から約200軒を巡った。
 各家の玄関に着くと、面様がサカキの枝で戸をたたいて厄払いし、他の児童が「面様年頭」と声を張り上げて来訪を知らせた。座敷に上がると、神棚を背に座り家人から新年のあいさつと初穂を受けた。
 登録後初となった神事を盛り上げようと、神事の間中、袋持ちの児童が地域に伝わる子守歌「面様童歌(わらべうた)」を流し、祝賀ムードを演出した。氏子総代長の坂下優さん(70)は「町の伝統行事を世界の人が認めてくれたことは、継承の励みになる」と話した。
 同町ではこの日の神事は「おいで面様」と呼ばれ、20日には海側から回る「おかえり面様」が行われる。
 朝市通りがある市街地の河井町では、重蔵神社でおはらいを受けた大人4人が「串柿」「上﨟(じょうろう)」と呼ばれる面を着け、それぞれ付添人と住宅街を回った。「面様年頭です」と声を掛けて各家に入り、神棚の前で祝詞を奏上した。
 同町では戦前まで2人1組だったが、戦後に住宅が増えたため、4人が個々に回って家内安全を祈っている。同町の面様年頭はこの日だけ行われ、約1300世帯を回った。

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