職人が手作りしている敦賀の伝統銘菓「豆らくがん」=1月25日、福井県敦賀市の銘菓処笑福堂

職人が手作りしている敦賀の伝統銘菓「豆らくがん」=1月25日、福井県敦賀市の銘菓処笑福堂

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福たっぷり豆らくがん人気 福井県敦賀市の伝統銘菓

福井新聞(2019年1月26日)

 節分を前に大豆を使った福井県敦賀市の伝統銘菓「豆らくがん」の製造がピークを迎えている。粗びきの大豆をお多福の型に入れて押し固めた昔ながらの干菓子で、地元では縁起物として親しまれている。近年は硬さが口コミで広まり、県外からのネット注文が増えるなど、人気はじわじわと広がっている。

 豆らくがんが生まれたのは江戸時代。北前船で敦賀に陸揚げされた大豆を使い、同市の気比神宮の祭神・神功皇后を象徴して作ったのが起源とされている。以来、市内の複数の菓子店が製造を続けている。

 昭和町2丁目の「銘菓処笑福堂」は年間を通して豆らくがんを製造しているが、ピークは節分前の1週間。普段の60倍となる1日6千個を、2人の職人が昔ながらの製法で手作りしている。

 職人は粗びきした大豆に砂糖や水あめを混ぜ、金属製の型に力を込めて押し入れていく。力が弱いと持ったときにぼろぼろと崩れてしまい、強すぎると硬くてかむことができなくなるという。職人は経験を頼りに、指先が真っ赤になるほど体重を掛けて、型に詰めた大豆を何度も押し固めていた。

 工場内には、次々と作られるお多福の顔がずらり。「福を分ける」との意味で手土産として重宝され、正月や節分の時期に食べられることが多い。おやつに提供する幼稚園や保育園もあるという。

 同店では、昔はハンマーでたたいても割れないほどの硬さから「どうやって食べたらいいのか」と聞かれるほどだったが、時代のニーズに合わせてもち米を粉末にした寒梅粉を混ぜることで、数十年前に比べれば若干軟らかくなっているという。

 ただ、それでも十分に硬いことからインターネットや口コミで広まり、近年はネットショップからの注文が増えているという。

 小西俊文工場長(43)は「大豆の風味豊かで素朴な味わいは昔から変わっていない。多くの人に食べてみてもらいたい」と話していた。同店では8個入り540円(税込み)で販売している。

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