ハンドブックを片手に湿地を散策してほしいと話す藤野勇馬さん=2月8日、福井県敦賀市の中池見湿地ビジターセンター

ハンドブックを片手に湿地を散策してほしいと話す藤野勇馬さん=2月8日、福井県敦賀市の中池見湿地ビジターセンター

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中池見の動植物知って 敦賀のNPOが冊子発行

福井新聞(2019年2月14日)

 福井県敦賀市の中池見湿地を管理するNPO法人「中池見ねっと」がこのほど、湿地内の田んぼで見られる動植物をまとめた「田んぼの生き物ハンドブック」を発行した。制作を担ったのは、湿地の豊かな自然に魅了され20年近く通っているスタッフの藤野勇馬さん(23)=同市。四季折々の動植物を写真付きでまとめており「ハンドブックを片手に実際に湿地を散策してみてほしい」と呼び掛けている。

 中池見湿地では、計4千種を超える動植物の生息が確認されている。来場者に生態や特徴などを解説している同NPOは、もっと主体的に観察を楽しんでもらえるようにと、解説内容を分かりやすくまとめたポケットサイズのガイドブック制作を企画。藤野さんを中心に1年ほどかけ、湿地に生息する動植物を改めて観察してまとめた。

 冊子は手のひらサイズのA6判29ページ。前半を「田んぼの一年」と題し、田んぼ周辺で観察できる動植物を紹介。田植えや稲刈りの様子をイラストで描き、各作業工程ごとに姿をみせるカキツバタやミズトラノオ、トノサマガエルなど計45種を、あぜ道や水面といったそれぞれの生息場所に図示した。

 後半は図鑑で、前半の45種を写真付きで詳しく解説。県内では同湿地でしか見られないデンジソウや、嶺南が分布の南限地とされるキタノメダカ、ヨシの葉を使ってボール状の巣を作るカヤネズミなどを紹介している。

 「来る度に新たな動植物との出合いや発見があるのが中池見の魅力」と話す藤野さんは、初めて訪れた3歳ごろから、週3回程度同湿地に足を運ぶ生活を続けている。その魅力をより多くの人に知ってもらいたいと願っており「ハンドブックを湿地の自然と触れ合うきっかけにしてほしい」と話している。

 ハンドブックは1冊100円(税込み)、同湿地ビジターセンターで販売している。問い合わせは同NPO=電話090(8269)9801。

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