砺波市商店街連盟の会長、天野一男さん(64)=同市表町=は、砺波地方の現状と将来についてまとめた冊子「田舎に未来は、ある」を自費出版した。天野さんは「自分の生まれ育った故郷に愛着を持ってほしい」と若い世代にメッセージを送る。
天野さんは、長年建築家として砺波地方のさまざまな設計に携わる一方で、砺波カイニョ倶楽部の会員として屋敷林の保全に取り組んだ。砺波商工会議所議員委員長も務め、商業振興に尽力してきた。
冊子は、A5判の101ページで500部を製作。砺波地方の特徴である散居村やカイニョを写真付きで紹介し、地域全体での保全の必要性を訴える。空き家の活用にも触れ、住みよい町づくりを意識し、次世代を担う若者たちに移住を呼び掛ける。
天野さんは、先人の知恵と苦労が詰まった散居村の世界遺産登録を目標に掲げる。「砺波という伝統ある地を世界に知ってもらうことで、地域の活性化にもつながる」と話している。
冊子は、砺波郷土資料館やとなみ散居村ミュージアムなどで配布している。