こうじなどに漬け込まれた「へしこなれずし」をたるから取り出す森下さん=3月5日、福井県小浜市田烏

こうじなどに漬け込まれた「へしこなれずし」をたるから取り出す森下さん=3月5日、福井県小浜市田烏

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養殖サバへしこ完成 小浜の民宿で試験加工、たる上げ

福井新聞(2019年3月6日)

 福井県小浜市などが養殖しているサバを使い試験的に仕込んであった特産品「へしこ」と「へしこなれずし」が完成し3月5日、同市田烏の民宿で、たるから取り出すたる上げが行われた。1年以上漬け込まれたもので、天然ものと比べ遜色ない出来栄えとなった。8日、同市白鬚の市まちの駅・旭座で開かれる「鯖の日セレモニー」で試食会があり、出席者に味を確かめてもらう。

 サバの養殖事業は同市田烏沖で取り組まれ、刺し身を中心に販売されている。

 へしこなどは現在、県外産の天然ものが使われているが、「完全小浜産」のものを作りブランド力を強化しようと昨年度、養殖サバを使った仕込みに着手した。現段階は試験的なもので今後、生産拡大を模索していく。

 今回、たる上げしたのは昨年1月、ぬかに漬け込む「本押し作業」がされた計60匹。なれずしは塩抜きし、今年2月下旬からこうじやご飯に漬け込んできた。

 この日のたる上げは森下佐彦さん(76)の作業場などで行われた。なれずしのたるを開くと、こうじなどが発酵した甘酸っぱい香りが広がった。サバの腹を開くと、きれいなピンク色に染まっていた。

 養殖サバの加工品化をめぐっては28日、酒かすを混ぜた餌で養殖する新ブランド「小浜よっぱらいサバ」の本押し作業が、森下さんの作業場で行われた。森下さんは、たる上げしたサバを前に「天然ものと比べても色合いや味に遜色はないと思う。よっぱらいサバも良い品に仕上げたい」と話していた。

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