防火を祈る福井県敦賀市白銀町の白銀神社の「火まつり」は5月4日夜、JR敦賀駅周辺で開かれた。炎を上げる火みこしを担いだ男衆に続いて、たいまつを掲げた住民らが行進し、市街地は活気に包まれた。
白銀町では昭和初期から火災が相次ぎ、1949年に京都の神社から火の神などの分身を迎え、同神社を建立した。以来、毎年火まつりが開かれ、同神社の春の例大祭の宵宮に位置付けられている。
午後6時ごろ、約20人の男衆に担がれた重さ約200キロの火みこしが白銀神社を出発した。みこしは中央の鉄釜から激しく炎が上がり、担ぐ男衆は「わっしょい、わっしょい」と威勢良く街中を練り歩いた。沿道の住民は火みこしが近づくと献木を火にくべ、火災が起きないよう祈った。
午後8時ごろ、たいまつを掲げた住民ら約200人が続き、通りには赤々とした炎の列が浮かび上がった。参加した松永涼さん(25)=同市原=は「火の粉が熱かったけれど、担いだら楽しい。もっと多くの人に祭りを知ってほしい」と話していた。
5日午前10時から同神社例大祭が開かれ、神事が営まれる。